こんな方におすすめ
◆自信がなくて行動に移せない
◆自分が目指すべき道が見つからない
◆起業する勇気が欲しい
◆努力するためのエネルギーを補充したい
僕は前職が金融の法人営業だったのですが、なかなか自分が理想としているような結果を出せずに日々悶々としていました。そんな時に今回ご紹介する「人生の勝算」に出会いました。
自分の人生において勝算なんて考えたこともなかったので、タイトルに非常に惹かれたのを覚えています。あと、著者である前田裕二氏が非常にカッコいい笑
本書は前田裕二氏の自叙伝として書かれており、同氏の人生や考え方の一部に触れることが出来ます。
ネタバレも含みますが、次章が本書の概要です。
本書概要
絆の深さ
現在はSHOWROOMという会社の創業社長をされている前田氏ですが、以前は路上で弾き語りをされていました。
最初はなかなか立ち止まってくれるかたも少なかったようですが、同氏は立ち止まってくれた方との絆を深めることでファンを作っていきます。
ある時、「白いパラソル」という曲をリクエストされましたが、知らない曲であったため次回の約束をとりつけ、それまでに練習をして、その人のためだけに同氏はその曲を練習しました。
約束の際に一生懸命に練習した「白いパラソル」をそのかたに披露し、その後に同氏のオリジナルソングを披露しました。
そのかたは1万円を置いていってくれたとのことです。
歌のうまさ(白いパラソルはその時初めて人前で歌ったそうです)では無く、その人のために歌う。そうすれば、その後に聞くオリジナル曲もその人にとって特別な歌になる。
営業やマーケティングをしているかたには特に学びの多いエピソードだと思います。
外資系投資銀行奮闘記
前田氏はUBSという外資系の投資銀行に入社をします。
超ハイスペックな人たちが超ハードワークをしているような世界で同氏が大事にするべきと学んだのは意外にも「思いやり」という至極当たりまえのことでした。
ここで語られるのは尊敬する先輩の宇田川氏というかたのエピソードです。
ある時UBSが入っているビルの受付の女性に「どこに勤めているの?」と話しかけられ、UBSですと伝えると、そのかたの顔がパッと明るくなったそうです。
「UBSに宇田川さんというかたがいるでしょ?宇田川さんだけなのよ、私に毎日目を合わせて、おはようとかいつもありがとうと言ってくれるのは!」とそのままその女性は嬉しそうに語ったというのです。
そのかたは宇田川さんの頼みなら、休日出勤でも喜んでするわ、とも語ったそうです。
この時に前田氏は大きな衝撃を受けたとのことです。
仕事において大事なのは、もちろん圧倒的な知識やスキル、経験やトークスキルといったものもありますが、更にその上をいく思いやりの重要さに気付いたのです。
自身の会社が入るビルの受付の女性にここまで言わせる宇田川氏がクライアントや社内の人たちとどのような関係性を築いているのかと考えると、この人には勝てないかも、、と前田氏も感じたとのことです。
前田氏はその後もUBSでさまざまなことを学びながら、凄まじい実績も残します。
そして、なんと2年目でアメリカ本社へと転勤します(すごすぎます)
アメリカでも同氏はモンスター級の実績を残します。
それを物語る1つのエピソードが語られています。
アメリカに渡った際の同氏の年俸は1,000万円程度、同じチームで働いていた同僚のアメリカ人は4,000万円~5,000万円以上もらっていたようで、同氏はその事実が非常に不満でした。
上司にその不満をぶつけると、上司からは「予算が決まっているから仕方ない」と言われたとのこと。それに対し同氏は「であればチーム5人の売上を1人で稼ぐから年俸を1億にしてくれ」と返したそうです。これには上司も苦笑。
しかし、その後の前田氏がすごい。
同氏は売上を伸ばし続けましたが、チームメンバーは1人1人と辞めていったり脱落していき、最終的には本当にチームで1人だけが残ったというのです。最終的にいくらの報酬をもらったのかは書かれていませんが、ものすごい額だったんでしょうね。
アメリカでの生活の中で同氏はゼロから1を作り上げる起業こそが自分の進む道だと感じる出来事に遭遇し企業の道へと進んでいきます。
SHOWROOM起業
前田氏はDeNAに入社をし、そこからSHOWROOM株式会社を立ち上げます。
SHOWROOMはライブストリーミング事業を行っており(僕は使用したことがないので詳しくは分かりませんが)、同氏が幼いころから親しんできた音楽やエンターテイメントに関わる事業を行っています。
起業についてのビジョンとして、「エンターテイメントの世界でも勉強やビジネスと一緒で努力次第で成功できる報われる世界を創り上げたい」ということが語られています。
努力や熱量を重んじる同氏らしい素晴らしい起業理念だと共感しました。
SHOWROOMは大きな危機も乗り越えながら、事業を軌道にのせていきます。
そして同氏はこんな目標を掲げています。世界一です。
日本初世界一のサービスを展開し、Googleを超えたいと語っています。
なんだか前田氏なら本当にやってしまいそうな気がしますよね!
最後に同氏は「人生のコンパス」を持つことが重要だと語っています。
どんな困難や批判があってもブレない自分だけの道を指し示すコンパスがあれば、必ず道はひらけるということです。
そのためには、とことん自分と向き合って、自分の心と深く対話することが必要と語っています。
そして揺るぎない人生のコンパスを探し当てることが出来れば、「人生の勝算」という宝物を得ることが出来るとも語られています。
僕はこの人生の勝算という言葉の響きが好きで、ふとした時に頭によぎります。
感想
最後に本書の感想にて締めたいと思います。
この本を購入した際は、O社という金融機関に勤めており新規開拓を中心とした法人営業を行っていました。
体力的にも精神的にも自分を追い込みながら仕事をしており、日々の仕事で精一杯で将来のビジョンなんて考えてもいなかった状況でした。
そんな時に本書のタイトルに惹かれ、何となく購入したように記憶しています。
本書には主に前半部分で前田氏が営業をしていたころの考えやエピソードが多く語られており、営業をしていた自分にとっても非常に参考になる考え方が多くあります。
営業において重要なのは人を好きになること。これは本書から学んだ姿勢であり、今も大事にしています。
前田氏のハードワークを真似して、朝早く起きて遅くまで仕事をするということもやってみたのですが、これはすぐ挫折しました笑
自分の仕事に対する熱量では到底真似出来ない領域でした。
この時、気付いたのは表面的に真似するのでは無く、自分なりのスタイルや軸を持って仕事に取り組むのが重要だし、自らの幸福に繋がるということです。
自分にとっては一人だけの時間も大事ですし、家族と遊びに行く時間も大事です。
体力と気力をすべて仕事に向かわせるのは自分の生き方ではないと感じたのです。
個人によって仕事やビジネスに対する熱量や想いは違います。
重要なのは同氏が最後に語っていた「人生のコンパス」を持ち、価値観に沿って全力で生きることなんだと思います。
この軸がないと思っている方も多いと思いますが、今までの人生を深く振り返ると必ず見つかると感じます。
今の自分は過去の自分自身の選択の連続で出来ています。その選択には何かしら自分の意志を働かせているはずです。
親に決められたとか、友人に影響されてとか、環境によって等、自分で選択していないと考えるかたもいるかもしれません。
ただ、それは親に従ったのも自分だし、友人に合わせたのも自分だし、環境を変えなかったのも自分ということです。そこには自分なりの考えがあって選択をしてきたということです。
この選択の結果を深く観察すると「人生のコンパス」を探し当てることが出来て、「人生の勝算」を感じることが出来ると信じています。
本ブログでは週1回程度、管理者であるmashが実際に読了した書籍の記事を書いています。是非、定期的にご欄頂けると幸いです。
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